週刊資金調達 #1

今週より毎週金曜日に「週刊資金調達」を配信します。世界のブロックチェーン企業の資金調達をわかりやすくまとめています。

第1回は2/25-3/3の週、計16社が資金調達を行い、内2社が日本発もしくは日本企業でした。それではそれぞれの企業について詳しくみていきましょう。

LOCK ON

LOCK ONとは、マルチチェーンに対応したオールインワンコピートレードのプラットフォームです。各チェーンの全ての取引を追跡し、利益の動向などを計算します。利益率の優れたアドレスの取引をコピーすることで、取引の再現を可能にします。ベータ版は2022年Q2にリリースが予定されています。

Fracton Venturesの方々や渡辺創太氏などがファウンダーに就任し、先日話題になったNext Web Capital(NeW)が今回のラウンドで出資しました。公式サイトを確認したところ、すでにInsureDAO創業者のkohshi Shibaさん(@kohshiba)からも出資を受けているようです。

ArDrive

ArDriveとは、ブロックチェーンを活用したストレージです。従来のクラウドストレージと比較し、サブスクリプション型じゃないことや、半永久的にデータを保存できる点が大きな違いです。 分散型ストレージでNFTアートのデータ保存先として信頼性の高い「Arweave」がリード投資家として入り、注目度の高いプロジェクトです。ガバナンストークンとしてArDriveトークン(ↁ)が存在します。

  • 調達額:1720万ドル(シード)
  • 投資家:Arweave Team、Blockchain Capital、Sino GlobalCapital など
  • 公式サイト:https://ardrive.io/

TRM Labs

金融機関、暗号資産交換業者、公的機関にトランザクションの監査、暗号資産の追跡等のサービスを提供しています。BinanceやFTX USからも信頼されている優れたシステムです。

また直近では、2021年12月7日にシリーズBで6000万ドルの資金調達を行っています。Tiger Globalが主導し、AmericanExpressのAmexVentures、Visa、Citi Ventures、DRW Venture Capital、Jump Capital、Marshall Wace、Block(旧Square.Inc)、PayPalVenturesなどの有名な金融機関。B Capital Group、Bessemer Venture Partners、Blockchain Capital、Cap Table Coalition、Castle Island Ventures、Initialized Capital、OperatorPartnersなどのベンチャー企業。Coinbaseの社長兼COOであるEmilie Choi氏、Snowflakeの会長兼CEOであるFrank Slootman氏、SnowflakeのCFOであるMichael Scarpelli氏など世界有数の投資家が参加しています。

VALR

VALRは、南アフリカを拠点に運営を行なっている暗号資産取引所です。25万をこえる個人投資家及び、500人以上の機関投資家が利用しています。リード投資家はPanteraCapitalで、AlamedaResearchとCoinbaseVenturesも参加しました。ちなみに今回のバリュエーションは2億4000万ドルで、前回のシリーズAの調達から評価額を10倍以上あげています。今週の資金調達額としては最高額です。

  • 調達額:5000万ドル(シリーズB)
  • 投資家:PanteraCapital、AlamedaResearch、CoinbaseVentures など
  • 公式サイト:https://www.valr.com/

SubspaceLab

2018年に創業し、スケーラビリティ、セキュリティ、持続可能性のバランスをとることを目標とする新しいブロックチェーン「第4世代のブロックチェーン」の開発をしています。今回の資金調達もブロックチェーンの開発に使われるようです。

  • 調達額:3290万ドル(シリーズA)
  • 投資家:Pantera Capitalは、Coinbase Ventures、Crypto.com、Alameda Research、ConsenSys Mesh など
  • 公式サイト:https://subspace.network/

Thetanuts Finance

Thetanuts Financeは、ユーザーが複数の分散型ネットワーク上の暗号資産の構成された製品にアクセスし、ポートフォリオのリターンを支援するプロトコルです。Three Arrows Capitalなどの4つのリード投資家とMEXC、crypto.comなどの有名な企業もこのラウンドに参加し、今週のシードラウンドの調達額としては最高額です。個人的に気になっているプロジェクトなので、後日概要をまとめます。

  • 調達額:1800万ドル(シード)
  • 投資家:Three Arrows Capital、Deribit、QCP CAPITAL、JUMP CRYPTO など
  • 公式サイト:https://thetanuts.finance/

uzumaki creative

uzumaki creativeは、ARフィルター制作事業・Z世代SNSマーケティング事業、MV制作事業を主軸に・最近だと界隈を賑わせたAR Mask Club(ARMC)など NFTを活用した事業にも新たに取り組んでいます。

代表取締役を木田 陽真氏(@harumakida)が務め、3人のメンバーと共に常に新しい領域にクリエイティブの力で挑戦し続けています。 個人的にとても応援している企業なので今後の活動にも注目したいと思います。

Socket

Socketは、すべてのチェーンを接続し、それらを介したシームレスな資産と情報の転送を可能にすることで、マルチチェーンエコシステムを統合するサービスを提供しています。使いやすいAPIを介してSocket Metalayerにアクセスし、相互運用性をアプリインフラの中核としたアプリを構築することができます。

リード投資家はFramework Venturesで、Coinbase Ventureやエンジェル投資家もこのラウンドに参加しています。

MX Global

MX Globalは、マレーシアを拠点に運営を行っている暗号資産取引所です。Binanceから資金調達を行い、調達額は不明です。Binanceでは過去にマレーシアの規制に従いマレーシアリンギット(MYR)を利用した取引等の中止を行い、実質的な同国からの撤退を行っていました。今回の出資により、Binanceはマレーシアの市場への参入を前向きに考えているのではないかと考えられます。

東南アジア諸国からは相次ぐ撤退を余儀なくされていたBinance。マレーシア証券委員会のライセンスを持つ暗号資産取引所への出資は、今後のビジネス展開にどのような影響を与えるのか要注目です。

Tenderly

Tenderlyは、スマートコントラクトのリアルタイム監視、アラート、デバッグ、シミュレーションを行うためのEthereum開発者向けプラットフォームです。メインネットからテストネット、BSCやAvalancheなど現在12チェーンに対応しており、今回の資金調達で今後もより便利になることが期待できます。

ここで類似サービスのAlchemyが思い浮かぶ人もいるでしょう。どちらもDappsを構築するための開発者向けツールですが、Alchemyはノードをサービスとして提供しているのに対し、TenderlyはダッシュボードとAPIを使用して分散型アプリケーションの状態を開発、テスト、監視するように設計されたプラットフォームであるという部分に違いがあります。ちなみに現在は毎日2500万を超えるトランザクションを処理するほどの、大きな開発者プラットフォームに進化しています。

今回のラウンドではCoinbase Ventureなどの7つのVCを始め、GuillermoRauch(Vercel CEO)、Jinglan Wang(Optimism 共同創設者兼CEO)などのエンジェル投資家も参加しています。

  • 調達額:4000万ドル(シリーズB)
  • 投資家:Accel、PointNine Capital、Abstract Ventures、Coinbase Ventures、Uniswap Labs、Daedalus、SparkCapitalなど
  • 公式サイト:https://tenderly.co/

Dialect

Solana上でリリースされたスマートメッセージのプロトコルです。実用的な通知機能やウォレット間チャットをWeb3アプリにもたらします。Web2.0ではスマートフォンで通知を受け取ることが当たり前になっていますが、Web3.0のアプリでは実現が難しいものでした。それらのプッシュ通知を、オンチェーンアクティビティを監視し、暗号ウォレットに関連付けられたモバイルデバイスにアラートを直接送信することでDialectは可能にしました。

  • 調達額:410万ドル(シード)
  • 投資家:Multicoin Capital、Jump Crypto など
  • 公式サイト:https://www.dialect.to/

AdaSwap

AdaSwapとは、Cardanoベースの分散型取引所(DEX)です。中央集権型取引所(CEX)に依存せず、高速なスワップをサポートしカルダノベースのトークンスワップや新規プロジェクト立ち上げをサポートします。今後独自のマーケットプレイスも展開予定です。このラウンドはiAngelsが主導し、Shima CapitalなどのVC、女優でプロデューサーとしても活躍するGal Gadotなどの著名なエンジェル投資家も参加しました。ネイティブトークンとしてAdaSwap(ASW)が存在します。

  • 調達額:260万ドル(シード)
  • 投資家:iAngels など
  • 公式サイト:https://adaswap.app/

CryptoLeague

cryptoleagueとは、パフォーマンスにこだわる投資家向けのコミュニティ構築のためのツールを開発している企業です。Gaingelsを始めとするVCやWeb3.0に注目する複数のエンジェル投資家から出資を受けています。

  • 調達額:220万ドル(プレシード)
  • 投資家:Gaingels、Great Oaks Venture Capital、Magic Fund、Side Door Ventures、Darling Ventures。Boutique Capital、Florida Funders など
  • 公式サイト:https://cryptoleague.org/

Polymer Labs

Polymer Labsは、安全で信頼性の高いIBC(ブロックチェーン間通信)のインフラストラクチャを構築しています。イーサリアムやSolanaを始めとするエコシステムは過去1年でTVLが大幅に増加しており、マルチチェーン通信用の統一したOSSが必要だと感じ立ち上げました。

  • 調達額:360万ドル(シード)
  • 投資家:DistributedGlobal、NorthIsland Ventures など
  • 公式サイト:https://www.polymerlabs.org/

Haruko

Harukoは、機関投資家向けに包括したゲートウェイを提供しています。洗練されて使いやすいAPIと、機関投資家が市場と簡単にやり取りできる便利なダッシュボードの両方を提供しています。細かいリスク指標を簡単に把握し、リアルタイムの価格と分析結果を取得することができます。

  • 調達額:1000万ドル(シード)
  • 投資家:Portage Ventures、WhiteStar Capital など
  • 公式サイト:https://haruko.io/

Rarify

Rarifyは、企業のプラットフォームにNFT導入を支援するインフラストラクチャーのスタートアップです。企業がNFT製品を作成、管理、拡張を簡単にAPIで行えるようにしました。またメーケットプレイスの構築もサポートしています。このラウンドは、PanteraCapitalが主導し、Eniac Ventures、Greycroft、Hyper、SlowVenturesなどが参加しました。

  • 調達額:1000万ドル(シリーズA)
  • 投資家:PanteraCapital など
  • 公式サイト:https://rarify.tech/

気になるプロジェクトはありましたか?それではまた来週お会いしましょう!

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